今治タオルブランド「今治謹製」が織り成すストーリー
自然豊かな今治のとある山の麓。風光明媚なその場所に有限会社スワモンショウという会社があります。この会社では花ござのデザインや、タオルの柄に関わる仕事をされています。実はこの会社が初代今治謹製の紋織タオルの柄に大きく関わっているのです。代表取締役の諏訪文久さんにお話を伺いました。
タオルのデザインが決まると意匠図が出来上がります。意匠図にはタオルの柄が描かれています。昔は筆で書かれていましたが最近ではパソコンで描かれたものが多くなってきましたね。この意匠図に描かれた柄をタオルで実現するためには、その柄を「織る」必要があります。織るということは横糸と縦糸の組み合わせ方を考えなければなりません。つまり私たちの仕事は意匠図(デザイン)と織機を繋ぐことかもしれません。
今治謹製紋織タオルの柄を初めて見たときは特別な印象はこれと言って無かったのが正直なところです。ですがちょっとしたこだわりがたくさんがあるとわかりました。例えば糸の太さが色によって違うことなどです。また、タオルの厚さも私たちにとっては大事なポイントです。パイルの長さが変わりますと柄の見た目にも影響しますので、そのあたりも考慮しながら作業します。柄、糸、タオルの組織、全て良いバランスで合わないと良いタオルができません。そういった意味ではこんなに長く売れ続ける今治謹製紋織タオルはそれらが良かったんだと思います。
今治タオルを贈るならやはり県外の得意先様や親戚に贈りたいですね。今治謹製紋織タオルは使い勝手が良いんです。僕にとってはこのタオルくらいの厚さがちょうど良い。タオルを贈ってもらった方々もそのように感じていただけるのではないでしょうか。
街のお店やデパートで自分が手掛けたこの今治謹製紋織タオルの柄が目に飛び込んできたらやっぱり嬉しい。タオルを触れる前に柄が目に飛び込んでくるというのは、言わばタオルと贈る人や使う人の出会う瞬間に柄が関わるということ。そこを担う仕事をしていると思うと誇らしいですね。