今治タオルブランド「今治謹製」が織り成すストーリー
矢野紋織株式会社は今治の中でも老舗のタオルメーカーのひとつ。今治謹製のファーストモデルである紋織タオルを生み出した会社です。紋織タオルの次に矢野紋織株式会社が手掛けたのは至福タオル。至福タオルの生産に当初から関わった専務の矢野秀和さんに話を聞きました。
大学を卒業して別の会社で5年間働き、矢野紋織に入社しました。現在2017年なので入社してから10年経ちました。最初は父である社長の後ろに付いて回って仕事を覚える日々。父と並ぶのが当面の目標ですね。タオルづくりにあたっては自分が使って大事にできるかどうか、良いなと思えるかどうか、それがなければ駄目だと思っています。担当した今治謹製至福タオルもそうです。やわらかいタオルは難しくて苦労しました。ただ柔らかいのではなくしっかりと芯を残してソフトに仕上げることができ、自分でも本当に良いと思えるタオルになったと思います。
入社した当時はまだまだコスト重視のタオルづくりが多かったのですが、今治謹製の売上増加に伴い変わってきました。私も良いタオルをつくりたい、良いものづくりをしたい、と思っていたので、この流れはチャンスと思っていました。入社してから数年後、今治謹製至福タオルの企画を聞きました。至福タオルが求める「柔らかくしっかりしているタオル」を実現するために糸から提案しました。当時私にとっては糸から提案するのは初めてだったので思い出深いタオルづくりです。スタイレムの企画担当者様と議論を重ね、良いタオルになりました。ブライダル引き出物の中でも大変高い評価を受けたタオルとなり本当に嬉しいです。
3歳の息子が居るのですが、いつか節目のタイミングで息子に贈りたいと思えるタオルを作りたい。そのために日々努力を重ねていきたいです。会社としても変わっていかなければなりません。若い方が夢を持って入社して毎日笑顔で過ごせる会社にしたい。それが私の夢でもあります。また、いつか二番煎じではなくオリジナルのタオルを作ってみたいですね。
日々変化するタオルですが、今治謹製至福タオルは洗う時に柔軟剤を使わなくても柔らかさが長く維持されます。贈ってくださった方の想いを大事に長く使っていただきたい商品です。