今治タオルブランド「今治謹製」が織り成すストーリー
同心染工株式会社はタオルの色を染めたり、様々な加工技術でタオルの吸水性や柔らかさを引き出す会社。株式会社藤高の関連会社であるため、同社で生産されるタオルの加工を担っています。今治謹製シリーズの中では極上タオル、至福タオル等が同心染工株式会社の染色加工によりそれぞれの風合いが実現されています。常務取締役工場長の白石邦夫さんに今治謹製について語っていただきました。
最初、極上タオルの風合いをなかなか出せず本当に大変でした。何度やってもなかなかうまくいかない。最初は極上タオルに使われている糸の本当の特性を理解できていなかったんです。私たちは染色などの加工を専門にしている会社ですから、これまで培った職人が持つ勘や経験を頼りに何度もチャレンジしてようやく満足いく風合いを出すことができました。糸の特性を理解する、と先ほど述べましたがこれは本当に大事なことです。糸の耐久性をつかさどる工程の糊付けや、織られたタオルを染色する工程においても、使用されている糸を理解しなければ良いタオルができません。糸の本当の特性を理解し、それを引き出すことが求められているんです。
人それぞれ好みが違うので万人受けするタオルというものは作ることができないと思っています。だから、少なくとも私自身が良いと思えるタオルを作っていきたい。例えば体を拭くときにタオルと体に密着感を感じられるようなものです。そして安心して使えるタオルです。わたしたちの染色加工は使う人の肌へのやさしさを考えて実施しています。手触りも大事。例えば至福タオルは、手触り・肌触りがふわふわで、良いタオルですよね。
昔は大量生産のタオルづくりが主流でした。極端な言い方ですがずっと同じものを作っていました。ですが最近はタオルも多様化しており、多品種小ロットのご要望が多くなりました。そのぶん管理が大変ですしそれぞれに違った色や風合いを求められます。我が社には紙ではなくタオル地のカラーサンプルや、色を数値化したデータがあるので生産前に仕上がりのイメージをつけていただきやすくしています。
ここ最近はマンション住まいの方が増えたこともあり、少し小さめのタオルでお風呂上りに体を拭かれる方が多いそうです。でもやっぱり私はバスタオルが好き。タオルの作り手としてもバスタオルで体を思いきり拭いてもらってタオルの良さを感じてほしいですね!