今治タオルブランド「今治謹製」が織り成すストーリー
タオルの生地端の部分を“みみ”と言い、みみをミシンで縫うことでタオルが完成に近づきます。10年間、今治謹製紋織タオルのみみを縫い続けている越智悟さんに仕事への思い、今治謹製の思い出を聞きました。
今治謹製のタオルのみみを縫い始めてから10年。当初はこんなに長く続くブランドとは思っていなかった。気付けば10年経っていた、というのが正直な感想かな。
この今治謹製紋織タオルのみみは自動化されたミシンで縫うこともできるんだろうけど、手作業のミシン縫いにこだわって作業しています。理由?そのほうがきれいに縫えるから。きれいにピチッっと縫うことが大事。ほんのちょっとした膨らみを防ぐために敢えて手で触れながら縫ってるんだよ。
毎日今治謹製に触れています。だから指が今治謹製のことを覚えてる。柔らかさの違いで合ったり、毛羽立ちの感じであったり、いろいろな違いを感じることもあるよ。そういうときは関係する会社に報告するようにしている。縫うだけが自分の仕事じゃない。お客様の手に渡ったときに迷惑が掛かってはいけないからね。産地としての今治を大事にしていきたい。技術だけでなく、こういうことを息子にも受け継いでいきたいし、皆で大事にしていってほしいね。
自分で贈ったことがないけど、やっぱり今治謹製や今治ロゴマークの入ったタオルを使う人には喜んでほしい。今治タオルブームで救われた産地だからよけいにそう思うね。これからも「今治タオルが好き」と言ってくれる人が居続けてほしいね。