今治タオルブランド「今治謹製」が織り成すストーリー
進気鋭、注目のフラワーアーティスト、志村大介さん。
ファッションの世界から花の世界へと転身したきっかけは、友人の誕生パーティーに何気なく持参したブーケでした。
昨年は、個展「flower & human」(花と人の融合)を主催。ボディペインティングを施したモデルの身体を花器に見立てた作品は、まさにライブリー・アート。
会場で行ったライブペインティングや参加型フラワーアレンジメント、DJなど、その表現活動も多彩で個性的です。
――10年間、活躍したファッションの世界から、30歳の時、花の世界へと転身した志村大介さん。その経緯から、お話は始まります。――
前職を辞めて、一時期は家業を手伝っていたんです。父はフラワーアーティストですが、それまでの僕は父の仕事や花にまったく興味がなかったし、バラとガーベラの区別もつかないくらい。ある日、友人の誕生プレゼントを準備する時間がなくて、手作りのブーケを持ってパーティーに行くことにしたんです。父の仕事を見ていて、何となく作り方は知っていたので。
ブーケをプレゼントしたら、場の空気が一瞬でふわっと変わり、友人はもちろん、周りの人もみんな笑顔になって・・・・・・。ああ、植物の力ってすごいな。素敵な仕事だなって初めて思ったんですね。あの瞬間がなかったら、僕はいまこの仕事をしていなかったと思います。
僕の作品のコンセプトは、花や植物のエネルギーをできるだけシンプルに表現すること。観る人が「うわぁ!すごいっ!!」と感じるより、「なんか居心地がいい」空間を創ることで花や植物を好きになるきっかけになったらと思っています。僕は裏方であり、作品は素地に徹することで、逆にブランドや商品、プロジェクトが主役として光ることを目指しているんです。
また、ほかのアーティストと組んだり、ブランドとコラボレーションしたり――。僕が関わることで人や空間、商品が1ではなく、2や3になる。そんな膨らませかたが得意なので、2019年からは「フラワーコラボレーター」の肩書で活動しています。ここ数年、これまで一生懸命やってきた活動のひとつずつが、点ではなく、線でつながってきたと感じています。大きなプロジェクトや展覧会など、多くの人に観ていただける機会が増えたのも、そこを目標に突き進んできたというより、つながって導かれてきたというか・・・・・・。いい感じで周りに支えられ、いい場所に流されてきたなぁと感謝しているんです。
――ブランドやセレクトショップが主催するワークショップの依頼もひっきりなしの志村さんですが、植物を通して、もっと本質的なことに関わりたいと取り組んでいるひとつが「花育」。友人の保育所で毎月1回、1年計画で行うプログラムは、今年で3年目を迎えました。――
僕が小さい頃は、近所の公園で花を摘んで、お母さんや友達にあげたりしていた。けれど、いまの子どもたちはそういう経験がしにくい環境で・・・・・・。だから、僕ができることを何かやりたくて、ボランティア感覚で始めました。3歳までに何を体験、体感するかってとても重要じゃないですか! だから、1歳から3歳までの彼らに命と向き合って、命を好きになってもらいたい。僕自身も楽しんで「花育」活動中なんです。
カリキュラムは1年単位。土に触るところからスタートして、お父さんやお母さんに感謝の気持ちでアレンジメントを渡すのがゴール。おうちに吊り下げておけば、ドライフラワーになって、家族みんなが長く楽しめるような花材を選んだり、“子どもだまし”ではなく、子どもを尊重した、大人目線での提案をいつも心掛けています。
子どもとの触れ合いは、毎回すごく新鮮です! こちらが捨てた葉っぱを持ってきて、「先生、これも使わなくちゃ、かわいそうだよ」と言われてハッとさせられたり。子どもって、大人より気が利いているし、気づきをくれることが多いんです。大人はちゃんとやらなきゃとか、常識にがんじがらめだけど、子どもたちといるとそんなリミッターがはずれちゃって面白い。
それは、植物の面白さや難しさにも通じること。人間がすべてをコントロールできないところ、予測不可能なことには、特別な魅力や輝きがありますから。僕、“予定調和”って苦手なんです。日本は“同調圧力”がすごいじゃないですか。みんな一緒って、楽だし簡単だけど、それでいいの? っていつも思っています。コントロールできないほうが楽しいし、そもそも植物や子供は、一切コントロールが効きませんから(笑)。毎回、アンダーコントロールな状況が起こって、僕自身も即興力、現場力が鍛えられるし、予期しなかった何かが生まれてくることを子どもたちと一緒に楽しんでいます。
――志村さんの多岐に渡る“花の仕事”。その傍らにいつもあるのがタオルです。仕事中はタオルなしでは成り立たないほど、大切な仕事道具のひとつ。志村さんにとっての“お仕事タオル”のこだわりやいかに?――
僕たちの仕事は95%が力仕事。吸水性が高くて良質なタオルは、花の仕事の大切なサポーターです。みなさんが思われている以上に力仕事なので、みんなが寒いと感じる時でも、僕だけ大汗をかいていたりします(笑)。水を使う仕事なので、こぼしたらすぐに拭き取りたいですし、もちろん僕の汗をおさえたり、まさにタオルはなくてはならないものですね。
仕事用タオルの第一条件は、水や汗をしっかり吸ってくれる、優れた吸水性です。色は気兼ねなく、いつも気持ちよく使いたいので、汚れが目立つ“白”以外。特にこれと決めている色はありませんが、ひと目惚れというか、その時々の感覚で選んでいます。
「今治謹製 極上タオル」は、まずは色に惹かれました。花の仕事の本質とも言える、植物を育む土を思わせるアーシーなカラーリングが、いまの自分のバイブスに合っていて・・・・・・。使ってみるとその触り心地と柔らかさにも感動しました。今治謹製「極上タオル」は僕好みの適度なボリュームで、吸水性もかなり優秀。しかも、耐久性も抜群で、まさに長く付き合えるタオルに出会えて嬉しかったです。
――タオルを始め、良いものとはじっくり長く付き合いたいと語る志村さん。それはプライベートでのタオルについての思い出にも通じます。――
タオルって、老若男女、すべての人が必ず使うもの。僕も誕生日や出産祝いの贈り物に、タオルを選んできました。友人のお子さんの出産祝いに贈ったタオルを、その子が小学生になっても使ってくれていたことがありました。使い続けてくれたことはもちろん、長持ちする質のよいタオルを贈ることができたのも嬉しかったな。
昔、某ブランドのプリミティブ柄のタオルがお気に入りで、レアなアイテムでもう売っていないものだから、本当にボロボロになるまで使って、ついに泣く泣く処分したんですね。それを友達が憶えていて、海外で同じタオルを探してプレゼントしてくれたんです。それも、もう10年以上前のことですが、その2代目のタオルはいまだに僕の宝物。大切に使っています。
僕の仕事は華やかに見えるかもしれないけれど、植物で表現したいのは命という本質であり、作りたいのは人々をつなぐベースのようなもの。誰もが持っているタオルも、暮らしの本質を語るものだし、生活のベースを作る存在ではないでしょうか? 貰ったり、贈ったり、日用品だったり、宝物になったり――。タオルはいろんなポジションに変化するけれど、僕にとっては長く付き合える友達や家族に近い存在。だからこそ、枚数をたくさんより、良質なものをしっかり選んで使いたいんです。触ったり、使ったりして毎回感じる、そういうバイブスって重要で、これからもいいバイブスを感じるタオルをそばに置いて、日々使用することで、いい流れを確実につかんでいきたいと思っているんです。