今治タオルブランド「今治謹製」が織り成すストーリー
矢野紋織株式会社は今治の中でも老舗のタオルメーカーのひとつ。今治謹製のファーストモデルである紋織タオルや至福タオルの製造を担っています。タオルの生産過程において、職人が手で触れた感触、目で見る光景、耳でとらえる機械の音、それらを感じ取ってタオルが生まれていきます。工場長の渡辺孝行さんに今治謹製に関するお話を聞かせていただきました。
私が矢野紋織に入社した年から今治謹製の生産が始まりました。それまでは別の会社でタオルの生産に関わっていたのですが、矢野紋織に入社した時から今治謹製紋織タオルを作り始めたということで何か縁を感じます。紋織タオルは3種類の糸を使っているので、それぞれの糸のバランスを取るのが難しい。そのため昔も今も織機でそのバランスを整えるのが難しいですね。至福タオルは糸が繊細なので織るのが難しい。日々、温度も湿度も変わります。そのため糸の具合もそれによって変わります。毎日チェックしてその時々の環境と糸の個性を見て作り続けてきました。
日々変わる環境で作り続けていくわけですから、安定して高い品質のタオルを作り続けていくために糸を手で触れた感触や、目で見てわかる違い、そして機械が発する音の違いをしっかりと感じ取ることが職人に求められます。音の違いを感じ取るには20~30年かかるとも言われているくらい些細な違いです。そのような違いを感じ取り、丹精を込めて作り続けています。今治謹製のタオルは見た目も風合いも綺麗。どのタオルを作るときもそうですが、手触りやパイル、全てに対して大切にして作っています。
もし贈るなら都会に住んでいる親戚に贈りたいですね。今治はタオルで有名な街ですから、私が住んでいる街で、私が手掛けたタオルを贈って喜んでもらいたい。肌触りや吸水性の良さを感じてほしいです。今治謹製のタオルは小さなお子様にも使ってほしい。やっぱり肌触りが良いので喜んでもらえると思います。
今治謹製のようにここまでヒットしたタオルを私は他に知りません。5年続けば良い世界で10年以上も売れ続けていますから。将来的には今治謹製のように長く愛される矢野紋織オリジナルのタオルを作ってみたいですね!