今治タオルブランド「今治謹製」が織り成すストーリー
株式会社藤高はタオル産地今治の中でも最も歴史があり技術力や生産力の高さで有名なメーカー。特許や受賞歴を持つだけでなく、今治タオル生産売上高、織機保有数、今治整経機保有数、それぞれNo. 1。実績と格式を併せ持つメーカーとして数々のタオルを世に生み出してきました。「今治謹製」について代表取締役社長 藤高豊文さんに最初の印象や今後の今治について教えていただきました。
最初の率直な感想ですか?タオルを木箱に入れるなんてバカバカしいと思いました(笑)。失礼な言い方ですが売れないと思っていました。それでも今治謹製の担当者さんの熱意を感じ、定番化するためにこちらも徹底的に「ものづくり」にこだわったのが良かったですね。例えば極上タオルの糸は専用の糸。長く使っていただけるよう毛羽落ちしにくい糸です。ギフトという意味でも完成された贈り物。価格帯でもバスタオル1枚が5,000円というタオルは初めてのものだったと思います。この極上タオルがたくさんの人たちに受け入れられ、そしてグッドデザイン賞も受賞された。本当におめでとうございます。
「今治謹製 極上タオル」はすべてにおいて芯が通っています。外装はもちろん、タオルとしてもまさに王道。外見も中身もずっと一貫してこだわりを大事にされたタオル。木箱に入っているというアイデアは今まで無かったもので、今治謹製の担当者さんの気持ちが本当に入ったタオルですね。木箱入りタオルは開けるときにワクワクすると思います。高級ワインは木箱に入っていることがありますがそれに似た印象かもしれないですね。そういった意味ではこの「今治謹製 極上タオル」には刺激を受けました。その刺激は「良いものには良い装いをさせて販売する」ということを私に教えてくれたとも言えるかもしれません。
私たちはタオルメーカーとして最良・最高のタオルを作ることが最終目標。もちろん今でも色んなタオルの企画や開発が進行しています。しかしこの極上タオルがライバルになるとは面白いですね。やっぱりこの木箱のパッケージが特徴的で独創的ですからね。特に木箱という点で今治謹製は独自のアプローチで今治タオルを盛り上げてくれたと思います。今治マークよりも先んじて展開されていた。佐藤可士和さんや今治タオル工業組合の取り組みも成功して今ではたくさんの方が「今治タオルメーカー」に声をかけてくれます。とてもありがたいことです。
タオルが完成するまでにはたくさんの工程があります。一般の方々には伝わりにくいことですが、ひとつひとつの工程に工夫を凝らしています。そういったものづくりとしてのこだわりも知っていただければ嬉しい。糸もどこでも買えるものならばすぐ真似されてしまいます。独自に良いタオルを開発するためには海外にも足を運び、実際にその目で確かめることも大事にしています。そして良いタオルの生産には良い水が必要不可欠。今治の水は軟水でタオルの生産に使用する際は安全な処理を施しています。どうぞ安心してご利用いただきたいと思います。